2024-05-24
やっと巡り会えた!
屋根の断熱に疑問を持ち、ずーっと悩んでいました。
私が入社した頃。袋入りグラスウールを大工が天井に並べていました。
【袋入りグラスウールの問題点】
・天井に並べているだけなので、すぐにズレて隙間ができる。いくら適切に施工したとしても、後に入る電気業者等の配線工事、入居後の配線工事等で断熱材がズレやすい。
・天井を吊っている木や配線により、断熱材の隙間ができやすい。
・上記、2つの理由により、気密をとることがほぼ困難。天井断熱はそもそも天井裏の換気が必須のため、更に気密がとれない。→気密をとるための袋に入っているのに別途気密シートを施工しないと気密はとれない。
・大工の気密の理解が得られにくく、なかなか適切に施工できない。
・化学素材のため、産業廃棄物になる。
・施工時のチクチク感。体に悪そうな直感。ドイツでは発がん性物質の為、法律で使用禁止
・調湿できない材料→室内が湿気やすい、カビやダニがわきやすい。
次に湿気調整のできる、自然素材系の断熱材を天井に施工しましたが、天井裏に並べているだけなので、ズレて断熱欠損ができやすく、気密性能も取りにくい状況となりました。
次に屋根のすぐ下にセルロースファイバーを施工してみました。
これはかなりいい!
グラスウールの問題点を全て解決
しかしながら施工性に難
シートと気密テープを延々と施工する事にうんざり。
これは大工の仕事ではない。木の工事専門の大工にあまりさせたくない。では誰がする?
→現場のモチベーション低下。やはり施工性も重視しなければ!!
他、ウレタン吹付という方法もある。気密を確保するためには最強と思われるが、
写真は、(株)ダンネツよりお借りしました
化学製品の固まりため、人の住む住まいとして見た目も違和感がある。(これは私の主観です)。正に化学の家。産業廃棄物として環境にも悪そう。火事の時、有毒ガスを出し、強烈に燃え広がる懸念もある。湿気調整もできないため。多湿な日本の家として不向きなのでは。ドイツでは透湿できる外皮で結露を防止し、壁が腐らないよう法律で義務化されている。
そこで出会ったのが、この
木の断熱材「ECO断ルーフ+ソフテック」
です。
木繊維断熱材であるECO断ルーフは木の家として正にふさわしい断熱材と言えます。
断熱材の材料が木ですので、断熱の他、透湿・調湿性能に優れているため、室内を適切な湿度環境に保つため、カビ、ダニ、腐朽菌がわきにくく、人にも家にも健康に保つ性能を持っています。こういった、性能をもった家をこのメーカーでは「木学の家」と呼んでいます。それに対して、化学材料でつくられた家を「化学の家」と言っています。この表現は上手だなと感じました。我々はこれまで、「化学の家」に当てはまるものを「新建材でつくった家」と呼んでいましたが、イマイチ伝わりにくいなとおもったので、これはわかり易い表現だなと思いました。
「木の家」は断熱だけでなく、
省エネ、遮熱・蓄熱、遮音、耐水、透湿防露、防火、修復再生、環境
の7+の性能を合わせ持ちます。
以下、工事の様子です。
垂木(タルキと読みます。屋根の骨組みの事です)の間に木の断熱材であるソフテックを入れます。木でできているため、端材も環境負荷がないサスティナブルでSDGsに合致した製品です。
下から見上げるとこんな感じです。木の布団のようであったかそうですね。見た目もいい感じです。
その上にECO断ルーフという木でできた厚さ35mmの断熱パネルを並べます。特殊な実形状で、防水・気密性能もあります。
その上に通気野垂木を設置し、15mmの通気層を確保します。屋根の日射の暑さをこの通気層から逃すと同時に屋根の結露を抑え、腐らないようにします。
野垂木の先に防虫網を付けておきます。ここが空気の入口となりますが、スズメバチ等の虫が屋根の中に巣をつくらないようにしています。野垂木の上に野地板(構造用合板)を設置します。下の写真は屋根の通気層の入口です。シルバーの部分が防虫網で空気の入口となります。
屋根の最上部には熱が逃げるように穴を空けています。この上に換気棟を設置し、空気は抜けるが雨は入らないようにします。
この家の前に建てた家の方に1年間住まれての感想をお聞きしました。エアコンを消している事を忘れてしまうほど、冬は暖かく、夏は涼しく、とても快適であるという嬉しいご感想を頂いています。大きな屋根の家なので、屋根としては太陽の熱を存分に受けるはずです。なのに、夏が涼しいという事はこの断熱材の効果が充分に発揮できている証拠だと言えます。
エアコンをつける時間が短いので環境負荷がすくなく、光熱費も少なく、家計に優しい住まいとなりました。
次回の建物も同じ工法で設計します。同じ方法で、更に性能良い事を附加しました。また、ご報告します。
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